自分の焼いたお菓子の写真を見るたびに「映え」と真逆の方向に位置する愛する#地味菓子
その中でもこのキャロットケーキは美味しいのに本当に映えない。丸型にしてみたり四角にしてみたりするが映えない。
でも美味しい。 行きつくところはここでいいと思っているからいいのだけれど。
このキャロットケーキ。前にもストーリーにも書いたかと思うがこれはロンドンのお隣さんマイクとブリジッドのマイクの長女・サラのレシピ。 ロンドンにいるとあちこちでキャロットケーキがあって味も形ももちろん違っていてそのレシピの数もたくさん。だけどイマイチ心踊るものがなく家でも焼いたことがなかった。
ある日(確か)マイクの70歳の誕生日に招かれた。10月で雨にもかかわらず大勢の家族や友人たちが招かれ、BBQしながらワインを飲んでお祝いするパーティーの終盤でキャンドルがたくさんのったこのキャロットケーキが運ばれてきた。マイクが嬉しそうにキャンドルを吹き消し、その後にデザートとして振る舞われたこのキャロットケーキを一口。その美味しさに食いしん坊アンテナが‼️となった。今まで食べたキャロットケーキの中で一番美味しく私好みだったのだ。
早速ブリジッドに『このケーキどこで買ったの?』と聞いたら『これはマイクの娘のサラが焼いたのよ。』と言われ、サラを紹介してくれた。サラはマイクの一番目の奥さんの娘。とても綺麗で素敵な女性だった。サラに『このケーキ今まで食べた中で一番のキャロットケーキよ』と感想を言ったら『ありがとう。すごく簡単にできるのよ。これはオーストラリアのレシピなの。よかったらレシピを送るわ。』と向こうからオファーしてくれ翌朝にメッセンジャーで送られてきた。
しかし人参を削ったり、ナッツを炒ったりと材料が多いのが面倒でなかなか作らずにいたけど翌年の夫の誕生日にこのケーキを焼いたら食いしん坊で味のわかるが夫は『あのマイクのところのレシピでしょ?』と言った。あの時『レシピをもらったほうがいいんじゃない?』と言ったのは彼だったのだ。キャロットケーキと紅茶をいただきながら『このキャロットケーキやっぱり美味しいよ。人参大きくしたり細かくしたりして焼いてみると面白いかもね。』と言う。私も『ナッツも胡桃じゃなくてピーカンも美味しいと思うの。レーズン入れても美味しいよね。』など話しながら美味しくいただいた。
マイクは一昨年83歳で他界。とてもいいお隣さんで彼が大きなモータース会社の社長だったと聞いたのはお葬式のスピーチでだった。それくらいシンプルで華美でなく優しく家族思いのいい人だった。私たちも本当にお世話になった。お葬式で久しぶりに会ったセラに『日本に帰る計画をしていてサラのキャロットケーキ出すわ』と言ったら嬉しそうだった。Dad loved my carrot cakes. と言った。




